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オヤジのうんちく

エンジンオイルについて

ポルシェにおけるエンジンオイルの役目
ポルシェ乗りの最大の関心事の一つ、飛ばし屋、ムード派を問わず誰もが一度は使用するエンジンオイルは、選択を考え悩み、迷ったことがあると思う。
しかし、中には天ぷら油とエンジンオイルを区別できない立派なオイルオンチ(!?)もいるらしいわ。
近年のポルシェのみならず他の車種においても、いわゆる定期交換部品が少なくなっておる。

こちらとしても、定期的に交換するのが望ましいパーツにしても、その交換決定権はオーナーであり、
危険な状態になってから交換するという判断をされた場合は、あくまで定期交換部品も定期交換推奨部品となっているのだが、エンジンオイルにおいては特別と考えていただきたい。

空冷ポルシェエンジンおいては、水冷エンジンとは比較にならぬほど過酷な条件で使用されているエンジンオイルは、最も重要な役割であるエンジンの冷却及び潤滑や防錆などを担っており、まして高性能エンジンを搭載するポルシェじゃ、適切な選択及びメンテは決して疎かにしてはならん。
水冷エンジンに比べ空冷エンジンの油温は50度前後も上がるのじゃ。

ここでポルシェにかかわらず、すべての車種にも通ずるエンジンオイルの役割について少し詳しく触れておきたい。
この役割を理解することでエンジンオイルの重要性の理解となればよいのだが。

最も重要な性能は”潤滑性能”。金属同士が触れ合うところには必ずオイルが供給されておる。
その摩擦の低減と金属摩耗の防止をしておる。
恐ろしい想像だが、オイルがない場合には金属同士の摩擦によって瞬時に
「発熱→焼き付き→エンジン破壊」となるのじゃ。
そういった金属同士の隙間に入り込み、摩擦摩耗を防止している。

また、ピストンとピストンリングの隙間を埋め、
爆発エネルギーを密閉して爆発ガスの「吹き抜け」を防止する”密閉性能”も重要じゃ。
この吹き抜けガスはフローバイガス(不燃焼ガス)と呼ばれ、人体にも有害であり、エンジン内部を汚す原因となっておる。

この性能は爆発だけでなく、圧縮行程にも密封効果を発揮し「圧縮漏れ」も防いでおるのじゃ。
このエンジン内部はもちろん爆発行程において常に高温にさらされておる。

エンジンを冷却する方法は水冷式と空冷式だが、エンジン内部で最初に熱を受け止めるのがオイルである。
ピストンには「コンプレッションリング」と「オイルリング」があり、オイルはこれらのリングとピストン、ピストンとシリンダーのごくわずかな隙間に入り込みながら熱を奪う”冷却性能”もエンジンオイルの重要な性能じゃ。

911ポルシェは約12リットルのオイルを使用することにより別名”油冷エンジン”といわれておる。
これら”潤滑性能””密閉性能””冷却性能”が3大性能となっておる。

他に、エンジンオイルはエンジン内部をクリーンに保つ”清浄分散性能”を発揮する為に洗浄分散剤が添付されている。エンジン内部にある未燃焼ガスや燃えカスのカーボンなどのような有害な物質をエンジンオイルが荷あぶに取り込むことでエンジン内部に付着することを防いでおるのじゃ。

エンジンオイルが黒く汚れるのはこの性能を発揮しているからなのだ。したがって、早く汚れるオイルは品質が悪いのではなく、逆にこの清浄機能が高いオイルということになる。

また、エンジン内部のパーツは極端に強い力を受ける部分がある。
クランクシャフトのメタル部分などだが、これをオイルが存在することで、その極圧をオイルが受け止め、ショックを吸収し力を分散させておるのじゃ。

最後に、地味ではあるが欠かすことのできない”防錆性能”は、エンジンオイルが金属表面に付着することで水分や、酸素、有害ガスなどと直接触れ合うことを防止して金属が錆びるのを防いでいるという、大事な役割もあるのじゃ。

そのエンジンオイル他方では、困った事にポルシェオーナーの意に反してエンジン、トランスミッション、オイルラインなどから漏れ出してはオーナーの心情(懐!?)を痛めるが、反面ショップの懐を暖めてくれるのも、有り難い役割の一つかな!?

実際ポルシェショップの仕事のうち、漏れの修理が大きなウェートをを占め、
当店でも常に1台以上は入庫しているのが実状じゃが漏れるのは、オイルや我々ショップには何ら罪はと責任はなく、怨むのならポルシェ生みの親にしていただきたい。

どのエンジンオイルを選べばいいのか・・・!?
さて前もって断っておくが、この話、特定の銘柄を非難、推奨するものではなく、もちろん商売ッ気抜きでワシなりの考えを述べさせてもらうとしよう。

カー用品店のオイル売り場に行けば驚くほどの種々雑多の銘柄、種類の規格分類、グレード、粘度分類、荷姿、価格差、いやはや凄いわ。

高価な高級品とおぼしき物は儲けがおおいのか、行き付けの工場やショップはお勧め品「ポルシェなら、この最高級品を」とのおだてや、「これを使わないとエンジンが壊れるかも」と巧みな脅迫まがいのセールストーク。

自動車製造メーカー指定推奨品、それに広告宣伝の中にはまるで魔法のオイルの如く、
大袈裟な能書きを説いているものもありで迷って当然かもしれんわなァ。

しかし、エンジンオイルの選択は粘度グレードを知る事が重要なのじゃ。
ご存知と思うが、オイルに「10w-40」などと容器に表示されている。
これがオイルの粘度のことで、正式はSAE粘度グレード。

SAEはSociety of Automobile Engineers米国自動車技術協会のことで、世界的に最もポピュラーに使用されておるオイルの粘度を規定しているのじゃ。

例えば、10W-40などのWはWinter(冬)の頭文字を取ったもので、
寒冷時のオイルの粘りけを10という単位であらわしておる。

この数字が小さければ、小さいほどサラサラした粘度の低いオイルとなる。
ハイフンでつながれた40は夏場の高温側の粘度をあらわしており、
この数字が大きいほど高温時におけるオイルの粘りけが強いオイルとなる。

具体的に言うと、低温時のを規定した使用環境では0Wは-30℃、5Wは‐25℃まで使用できる。つまり0Wや5Wは相当な寒冷地でのエンジン始動性に優れたオイルと言える。
日本ではよほどの寒冷地は無理じゃが、冬場の暖気をわすれなければ、20Wぐらいで十分だと考えられる。

これらをハイフンでつなげると0W-30、5W-50、10W-30、10W-40などの組み合わせができ、これらのオイルは冬場から夏場までオールシーズンで使用できるオイルのことを意味しており、これをマルチグレードと呼んでおる。

このマルチグレードを考案したアメリカは、気温の高いメキシコから夏でも寒くなるカナダへ行くという生活習慣からできたもの。四季のある日本ではこのマルチグレードが安心できるのじゃ。

あくまで基準だが使用するオイルは車の使用法により大幅に異なるが、半合成のオイルSAW20W-50。
過激な走行をせず年間走行距離4000km前後の車なら、年一回夏前に交換すれば良いと思う。

最近、省エネオイル(SAE0W-30)というオイルが出ておるようだが、
これらは空冷ポルシェいは使用しないほうが良さそうじゃ。

2001/01/21UP

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